ぐちゅり、と卑猥な音が密室に響く。
淫靡な吐息が絶え間なく辺りに散りばめられれば、ベッドの軋む音がその後を追い。

「ぁ・・・あ・・・は・・・・・・ぁ、い・・・・・・」

「イイ?何処がイイんだ、言ってみな」

細く零れる声に、そう問えば。

「そ・・・こ、そこが・・・・・・・・・」

「ここか?はは・・・ここがイイのか?淫乱だなぁ、刹那は」

ぐちゅぐちゅと、再び音が鳴る。
深く収められた指先が内壁を辿り、強く前立腺を擦り立てた。

「あ・・・ッ!や・・・ぁッッ!!・・・あぁ・・・アアッ!!!」

既に何度目の放逐か分からないまま、刹那は身体を仰け反らせて白濁を吐き出す。

「う〜ん、だいぶ薄くなったなぁ、なぁ、刹那?」

零れ落ちる液体を手で絡め取ると、それを目の前で広げて見せる。
トロリとした体液に、殆ど色はなかった。

「も・・・や・・・・・・」

「うん?やだって?どこが嫌なんだよ。こんなに締め付けてるくせに」

くく、と笑うと、刹那に収まったままの指をくねらせる。
きちゅきちゅと音がする度に、その部分は指を食い締めて収縮を繰り返した。

「や・・・っ、や・・・ぁ・・・」

「何だ、良くないのか?だったらやめちまうぞ?」

ちゅぷっと音を立てて、長い指が引き抜かれる。

「あ・・・っ!!」

思わず声が漏れる。
体内にあった確かな存在がなくなって、切ない疼きが身体を巡る。

「・・・ぅ・・・ロック・・・お願・・・い・・・だから・・・っ」

これ以上焦らさないでくれと視線で懇願する。
吐き出すだけでは、身体の熱は増すばかりなのだ。

「お願いだから何だ、言ってみろよ」

ロックオンは人の悪い笑みを浮かべたまま、刹那の顔を覗き込む。

「ロック・・・、お願い・・・お願いだから・・・」

「分からねぇな、お願い、じゃあさ。なぁ、もっと可愛く強請れるだろう?」

言い放ち、ぷくりと立ち上がった刹那の胸の先を摘み上げる。

「ひ・・・!・・・ぁあ・・・」

ぎゅうと引っ張られて、鋭い痛みと共に甘い痺れが刹那の身体を走った。

「ほら、言えよ」

尚も先端を弄びながら、ロックオンが促す。

「早く言わないと、こうだぞ?」

焦れたロックオンが、紅く熟れた先端に強く歯を立てれば。

「ひぃ!いや・・・いやぁっ!!」

あまりの衝撃と快感に、文字通り身悶えた。

「こんないやらしい身体して・・・早く言えよ」

「・・・あ・・・ロック・・・・・・い・・・入れて・・・ロックオンの・・・・・・お願い・・・」

「う〜ん、60点。ほら、何処に何を入れて欲しいのか、ちゃんと言わないとなぁ?」

ロックオンの意地の悪い言葉に、刹那の眉が切なげに寄る。

「う・・・ロックオンの・・・コレ・・・を、俺の中に・・・いれ・・・て・・・」

「あん?俺のコレ?これってコレか?」

硬く張り詰めたものを刹那の手に握らせると、そのまま強く上下に扱く。
すぐに先端から液体が溢れ、刹那の手を汚した。

「・・・それ・・・・・・それが・・・欲し・・・い・・・・・・」

目元を真っ赤に染めながら、尚も強請る。

「何処に?」

「・・・っ・・・・・・・ここ・・・に・・・・・・」

ほんの少しだけ腰を浮かすと、羞恥のあまり涙が浮かぶ。
直接的な言葉は苦手だった。

「開いてみろよ」

手に自身を握らせたまま、ロックオンは命じる。

「足、開け」

その言葉に、刹那はおずおずと膝を割る。

「それじゃ入らないだろ?もっと大きく、刹那の可愛いアソコが丸見えになるまで開くんだよ」

「う・・・・・・・・・」

羞恥を煽るロックオンに、刹那の身体が強張る。

「できるだろ?刹那、ほら」

いつまでも動かない刹那に業を煮やしたのか、ロックオンの力強い手が膝裏に入り、ぐいとその場所を広げた。

「・・・っっ!!」

思わず顔を背けてしまう。
あられもない場所に無遠慮な視線を送られて、今にも逃げ出したくて仕方がない。
しかし、それ以上に、その部分がより確かな存在を求めて柔らかく蠢くのを、止めることはできなかった。

「く・・・ぴくぴく動いてるな。欲しい欲しいって、ここは正直だぜ?」

ロックオンは身体をずらすと、刹那の両足の間に入り込む。
そのまま腰を掴むと、己の切っ先を小さな窪みに宛がった。

「・・・・・・ぁ・・・!」

そこに熱を感じただけで、刹那の吐息に甘さが混じる。
これから埋められるものの充足感を思い出しただけで、腰が揺れた。

「入れるか?」

ロックオンの言葉に、刹那は何度も頷く。
早く入れて欲しくてどうにかなってしまいそうだった。
自ら腰を押し付けて、ロックオンを受け入れようとする。

「焦るなよ、ゆっくり入れてやるから・・・な」

獲物を狙う鋭い視線が刹那に注がれる。
それは刹那が一番恐れていて、けれども一番求めているものだ。

じゅぷ・・・と先端がめり込む。
大きく開いた切っ先が、徐々に体内に埋め込まれていく。

「ぁ・・・あ、あ・・・・・ぁ・・・・・っ」

ゆっくり、殊更ゆっくりと挿入されて、その圧倒的な存在感に刹那はどんどんと上り詰めていった。
今にも吐き出してしまいそうな刹那自身を、ロックオンが握る。

「おっと、まだ入ってねぇぞ。イくなよ」

根本を強く圧迫して刹那の放逐を許さないまま、とうとう根元までロックオンが埋め込まれる。
どくどくと体内で大きさを増すロックオンに、刹那は思わずその部分を締め上げた。

「う・・・いいぜ、刹那。キツクて熱くて・・・堪んねぇ」

目を閉じて、はぁと息を吐く。
その男っぽい仕草にロックオンの雄の本性を感じて、刹那の鼓動が早まる。

「動くぞ」

短く宣言すると、すぐにロックオンの挿送が始まる。
それこそは自分が求めていたもので。

「ああ・・・ぅ・・・い、い・・・あ・・・あぁ・・・・・・・っ!!」

小刻みだが力強い抜き差しに、刹那は素直に溺れた。
もっと、もっとと腰を寄せ、奥まで欲しいとロックオンの背中をかき抱く。

「あ・・・ぁっ!・・・ロック・・・もっと・・・奥・・・あ・・・ああ・・・・っ!」

先ほどまでの意地悪が嘘のように、ロックオンは刹那のいいように快楽を与える。
もっとと言われればより早く腰を入れ、奥にと請われれば自重をかけて際奥まで捻じ込んだ。

「ひ・・・、いい・・・っ!あ、・・・いい・・・っっ!!」

羞恥も恐れも忘れて、ひたすらロックオンを味わうように、刹那の腰は揺れる。
両足を絡みつかせ、自らの屹立をロックオンの腹に押し付け、恍惚とした表情で揺さぶられ続ける。

「刹那・・・刹那・・・・・・っ!」

妖しくうねる腰と、ぎゅうぎゅうと締め付ける内壁に、次第にロックオンも我を忘れていく。
ただ目の前のものを貪ることだけに全ての神経を注げば、より一層の快感がロックオンの身体を走り抜けた。

「ああ・・・っ!ロック・・・も・・・駄目・・・イく・・・イく・・・・・・!!」

あれだけ出し尽くしたというのに、刹那のものは膨張しきって、先端からは絶えず液体が零れ落ちている。
もう一刻の我慢もできないというように、刹那の内部が恐ろしいほどの収縮を始めた。

「くそ、俺もだ・・・もうイくぞ、いいか、刹那・・・刹那・・・くっ・・・う・・・」

「ロック・・・きて・・・ああっ・・・きて・・・・・・」

奥の奥まで突き入れて、そこから更に先に進もうとするかのように腰を密着させる。
ぐいぐいと押されて、刹那の喉から咽び泣くような声が漏れた。

「・・・ああ・・・っん、ああ・・・・・・っ、・・・・・あああぁぁ・・・・!!」

やがて刹那の先端から、ぴゅくと蜜が吐き出されれば。
ロックオンのものも同時に内部で爆ぜる。
一度も達していなかったロックオンのものは、びゅくびゅくと大量の精液を撒き散らしながら刹那の内部を犯した。

「・・・あ・・・あ、あ・・・・・・あぁ・・・」

叩きつけられるように、二度三度と腰を入れられて、がくがくと身体を揺らす。
最後の一滴まで注ぎいれたロックオンは、そこでやっと満足したように笑うと自身を引き抜いた。
途端に、後孔から白濁した液体がこぽりと溢れる。

「すっげ、いやらしい眺め」

広がったままの紅い内壁を晒す刹那に、ロックオンが囁く。

「可愛いぜ、刹那」

こめかみにキスするロックオンに、刹那が事後の気だるさを纏いつかせながらため息をつく。

「満足したか」

「うん?」

「これで満足したかと聞いている」

可愛らしく喘いで、もっとと強請っていた姿は幻のように消え失せ、いつもの表情のまま刹那が言う。

「まったく・・・・・・こんなものがクリスマスプレゼントとは・・・」

ぶつぶつ呟く刹那に、ロックオンはそれでも満足そうに笑った。

「可愛い〜く強請る刹那がプレゼント。いや〜最高だったな〜」

「もう二度とやらない」

冷たく言い放つ。

「え〜、次は誕生日プレゼントに緊縛プレイお願いしようと思ってたのに・・・」

しゅんと項垂れるロックオンに、みるみる刹那の顔が赤くなった。

「それしかないのか・・・?!」

「だって〜」

「だってじゃない」

ふんと顔を背けると、刹那はベッドに潜り込む。
クリスマスプレゼントに何が欲しいかなどと、安易に聞かなければ良かった。
少しでも喜んでくれればと、甘い顔をしたのは間違いだ。

「せ〜つな!」

背中にロックオンが被さってくる。

「何だ」

「そんな怒るなって。もう変な事言わないから。な?俺はお前が一緒にいてさえくれればそれでいいんだ。プレゼントなんていらねぇって」

ちゅっと耳元に口付けられる。

「刹那が一緒にいてくれれば、もう俺はそれで満足。他には何もいらない」

言いながら背中から抱きしめられて。
刹那はくるりと身体を反転させる。

複雑な気持ちで見上げると、そこにはロックオンの笑顔。
優しく自分を見下ろしている姿は、今の言葉が本当だと告げている。

刹那はため息をつくと、思い切って口を開く。

「誕生日プレゼントは・・・その・・・・・・き・・・きん・・・緊縛・・・プレイとやらでいいのか」

途端、ロックオンの瞳が大きく開いて。

「刹那!可愛い!!やっぱ最高!!!」

ぎゅうぎゅうと思い切り抱きつかれて。
それでも、それを振りほどくこともないまま、刹那は小さく嘆息した。





【あとがき】

2007年12月20日

H描写強化月間中です!(ナニソレ)
というわけで、18禁描写しかないロックオン×刹那でした。

それにしても、やらし〜い言葉って難しいですね・・・。
読んでるだけできゅんきゅんしてくるような、プロの作家さんたちのエロ描写は本当にすごいと思います。
私も精進したいです(≧ロ≦)